風和利あじち
金沢のグルメストリートとして存在感を高めつつある金沢駅前三和商店街の中ほどに店を構える。「あじち」とは金沢の方言で「分家」を意味する。この店では、尾張町にある本家『風和利』の味を気軽に楽しめるのだ。鮮魚の刺身や、風味豊かな炙りや炭火焼が評判で、ファンの多い鰻の白焼きには特に自信を見せる。店長の殿田達也さんは本店で修業したのち『風和利あじち』を任され、料理の腕前と気持ちのよい接客で支持を集める。それもそのはず、飲食業に携わる前にはバンドマンやシステムエンジニア、建築内装業など様々な経験を積んでいるためか、客に寄り添ったもてなしが何とも気持ちいいのだ。お腹の具合や何が食べたい気分かなど、細かい気遣いが接客の中に見え隠れ。調理場で忙しく仕事に追われつつも絶妙な距離感で場を和ませてくれる。とりわけ1階のカウンター席では炭火で炙られた新鮮な魚介の香りが食欲をそそり、つい酒の杯も進んでしまう。肉や海鮮、野菜の炙りや炭火焼が前面に出てはいるが、刺身や酢の物、べっぴんサラダのほか、「名物!大様のコロッケ」といった創作一品料理をはじめとした揚げ物や天ぷらも密かに人気。気が付けばついアレコレ注文してしまっている。食べたい派も飲みたい派も満足できるため、地元客だけではなく出張や観光で訪れるたびに顔を出してくれるという客も増えつつある。旬味をつまみながら一杯やりたいという一人客から、家族や仲間とじっくり楽しみたいグループまで、多様な楽しみ方ができる懐の深さは、「あじち」ならではの魅力かもしれない。
【特典】
うなぎの白焼き