季節料理と和み酒 十二の月
金沢市片町で愛され20年以上。季節の料理と日本酒の取り揃えに定評のある『十二の月』を率いるのは、代表の多々見洋さんと女将の多々見まみのさん。先代の急逝後、洋さんは料理人として経営者として研鑽を重ね、まみのさんは唎酒師となり日本酒BAR『多わゝ』を切り盛りするなどして互いに存在感を高めてきた。そんな二人は2020年2月のリニューアルを機に店に揃い、料理と日本酒それぞれの良さを引き立てあう試みを続けている。中でも目を引くのは、9種の地酒を1,680円で呑み比べることができる驚きのメニューだ。能登金沢の地酒9種と、加賀白山の地酒9種が味わえる2パターンが用意されており、日本酒好きはもちろん、日本酒初心者という若い女性にも大好評で、酒卸業者や同業者にも驚かれるという。「女将の肝入りです。手間や採算を考えると割に合わないかもしれませんが、お客さんが喜んでくれるのが何より嬉しいので」と洋さんも目を細める。 料理は、その時期ならではの味覚が堪能できるコースを2種用意しているが、値段の高いコースのオーダーが多いのも店のサービス精神が客に伝わっているからだろう。出汁の提供から料理をスタートするというスタイルにも食材への自信が伺える。 片町という立地柄、かつては商用で使うビジネスマンの姿も多かったが、個室仕立ての客席が多いため、昨今は、店主と同年代の女性グループや、親世代と静かに舌鼓を打つ大人の家族連れなども増えている。なにはともあれ、日本酒好きにはぜひ一度足を運んでみてほしい。
【特典】
日本酒9種セット